【前編】児童手当改正の4つのポイント なにが変わる?
日本の出生率は年々下降傾向にあります。2023年の合計特殊出生率は1.20となり昨年から更に下降が進んでいます。東京では出生率が0.99と「1」を切るところまで下降しています。
こうした少子化が進行する主な原因の一つに家計の将来不安があります。物価上昇による家計不安のニュースが多い中で、少しでも「良かった」と思えるニュースとして、「児童手当」の改正があります。
今回は2024年10月に改正が予定されている「児童手当」についての制度改正を含めて全体像をみていきましょう。
児童手当とは?
児童手当制度は実は昭和47年にスタートしました。スタート時は受給制限が厳しかった為に手当をもらった記憶がない方も多いかと思いますが、現在は0歳から中学校卒業までの児童を養っている方に国から一定額が支給される制度となっています。手当の金額は、子ども一人当たり0歳~3歳未満が一律15,000円、3歳~中学生までが10,000円(第3子以降は小学校卒業まで15,000円)となり、毎年2月、6月、10月の年3回(前月までの4か月分)が支払われます。
0歳から中学卒業までの受給額を合計すると、なんと約200万円の手当を受け取ることになります。
なお、現行の制度は2024年10月から以下のように変更予定です。
出展:こども家庭庁HP 「児童手当制度の概要」
児童手当制度 どう変わる?
現行制度と新制度(2024年10月~)の違い、児童手当改正の4つのポイントは以下の通りです。
18歳(高校卒業)まで手当金が延長
第3子以降の受給金額が増額
支給回数が3回(2月・6月・10月)→6回(2月・4月・6月・8月・10月・12月)に増加
所得制限の撤廃
それでは順に詳しく見ていきましょう。
1⃣18歳(高校卒業)まで手当金が延長
これまで中学卒業までだった児童手当の受給期間が高校卒業までに延長されます。
これにより、中学卒業~高校卒業までの3年間の支給額にあたる36万円(10,000円×36か月(3年間))が受取れることになる予定です。
2⃣第3子以降の受給金額が増額
これまで15,000円だった第3子以降の手当金が30,000円へ増額されます。
ただし、第3子の考え方に関して注意しないといけない点があります。児童手当の第3子は、単純に「第3子=3番目に生まれた子ども」ではなく、「児童手当の支給対象者である3人目の子ども」という意味です。改正後の児童手当の受給対象年齢は0歳から高校卒業までです。よって、1番目に生まれた子どもが高校を卒業して児童手当の対象外となると、3番目に生まれたの子どもは「第3子」でなく「第2子」として扱われるようになり、支給額は1万円となりますので注意しておきましょう。
3⃣支給回数が増加
そして、支給回数が3回から6回に増回されます。これにより、4か月分×3回が2か月分×6回になりますのでコンスタントに支給されることになります。
2ヶ月に1回の支給になることで、生活費としての計算に入れやすくなると思います。
4⃣所得制限の撤廃
現行の児童手当には一定の所得制限がありますが、こちらが撤廃されます。
これにより、年収制限を上回る場合の特例給付、年収上限を上回る場合の支給対象外も撤廃されることになります。
おわりに
今回は2024年10月に実施される児童手当改正の4つのポイントを見てきました。児童手当は日頃の生活費、子どもの習い事や塾などの費用、大学進学や下宿代ための貯蓄、など活用方法は様々です。たくさんある活用方法のなかから、子どもの将来のための最善の活用方法を見つけ、最大限活用できるようにしていきましょう。
次回(後編)は『児童手当の活用方法』について具体的な事例を交えて解説します。
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