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執筆者の写真宮本 誠之

【スマホから始まる親子の終活】 その3

FP Officeの 宮本 誠之と申します。

FPとして、様々な世代の要望に応えるべく、日々情報収集をしております。

そんな中で私が興味を持ったもので、これを読んでいただいた方の将来に役に立つかな、という情報をこれからお届けしていこうと思っています。

【デジタル遺品の探しかた・しまいかた、残しかた+隠しかた】〈1〉

という本を読んでいます。

前回に続きます。

(前回の記事はこちら→【スマホから始まる親子の終活】その2

先ずは、前回の「デジタル遺品」の簡単なおさらいです。

デジタル遺品とは、「デジタル機器の保存データ(オフライン)、ネットサービスのアカウント等(オンライン)」を指し、金銭的、すなわち相続財産としての価値や、感情的、故人の思い出の価値が含まれています。

そして、注意点としては、「端末自体」は相続できますが、「端末保存データ自体」は相続できませんし、「オンラインアカウント」は、登録する際の規約に「契約した人しか使えない」という規約があると、【一身専属】と言い、すなわち、登録者=故人のみの権限となるため、相続することは不可能です。

「相続・終活の始まりは、スマホの話題かも…」と最近わたしは強く思います。

というのも、先日、Androidのらくらくスマホを所有していた母が、携帯キャリアのキャンペーンで、わたしと同じiPhoneを購入したのです。(しかも、元々所有していたiPadとアカウント連動させたりなど、なかなか洒落たことをしていました。)

わたしは、その母の元のスマホからiPhoneに、データや登録を引き継ぐ作業を手伝っていました。自分と同じものであれば、説明書等を見なくても、当然設定などお手伝いできるわけです。

そこで、なかなかの驚きの光景を目にしました。

母はインターネットの各登録先ごとに、IDとパスワード、メールアドレスなどをノートやメモ紙を使って控えていてくれたのですが、(いいことか悪いことかは別として)それぞれの登録項目がアカウントごとに、てんでバラバラになっていたのです。若い世代であれば、パスワード管理はもう少しスムーズに行なっている方が多いと思います。

最終的には、この登録を整理していくために、もう一度時間を取ることにしました。このアカウント登録の整理は、多少パソコンやスマホをさわれる程度のレベルのわたしの親世代にあたる人が一人で行なうとまず間違いなくすぐ挫折します。(母も、何度となく「難しい、難しい…」とこぼしました)

しかし、自分の娘息子なら、安心して自分のアカウントの相談ができると思いますし、子供の方がまず間違いなく得意です。

うまくいけば、副産物として、離れた親子同士でも、緊急時の安否確認や日頃の連絡などのツールとして生かせますので、これをきっかけにするといいと思いました。

そういえば、わたしの近所に住む叔母は子供が独立し、一人暮らしなのですが、毎日夕方になるとLINEのビデオグループ通話を楽しんでいます。なんと、遠く海外にいる娘も参加しており、主役の立場として待望の孫も参加して、三世代の会話に華が咲いています。頻繁に訪ねることはできなくても、これなら寂しさも十分紛れるというものです。

「最近SNSとか使い始めてると思うんだけど、その登録ってきちんと管理できている?」の質問に?やNoが返ってくる親御さんには、是非とも子世代から声をかけてあげてほしいです。ついでに携帯料金の見直しなんかもお手伝いしたら、どれだけ喜ばれるでしょうか。

【親御さんの携帯購入に同伴し、自分と同じメーカーの機種を購入する】

ひょっとすると、このことが、デジタル終活の大きな第一歩になるな、と大きなヒントを得ました。

このようなわたしの身の回りの日常から得た体験でも、ご参考になれば幸いです。この本、さらに読み進めておりますので、少ししたらまた続きを書こうと思います。

〈参考文献〉

〈1〉伊勢田篤史・古田雄介,"デジタル遺品の探しかた・しまいかた、残しかた+隠しかた"

   ,日本加除出版,2021年10月,204頁,978-4-8178-4754-6

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