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執筆者の写真中井 康寛

「見えないものを見ようとして」が当然に求められる時代

こんにちは。

FPの中井です。


こちらのブログでは、世界や現代社会のような大きな視点から個人の生活のような小さな視点へと移していくことで、物事の繋がりを感じながら知識をブラッシュアップしていくことを試みています。



まず、大きな視点として、前回のブログ


【物価高を見据えて、あらためて資産運用を考えてみる】


でも出てきた「物価高」をスタートに話を進めていきたいと思います。

前回、物価高の要因は複合的だということを挙げました。


一方その結果として、物価高の渦中にあるのは「あらゆる」ものです。

前回挙げた小麦やとうもろこしのような食料を筆頭に、

アルミやニッケルのような金属、そして例に漏れず、原油や天然ガスも。



例えば、これがエネルギー問題を直撃していますから、

最近の電気料金にびっくりした方もいらっしゃるのではないでしょうか。

日本の電力構成を見ると、福島の原発問題もあり、火力発電への依存度が高いのが特徴で、2020年度では7割強を占めるまでになっています。そこに燃料の高騰が直撃しているということになります。



以上を一言で言えば、「たくさん」の理由が絡まって、「たくさん」のモノの値段が上昇している。それが足元の状態です。非常に複雑ですね。


しかも、さらにこの複雑さに輪を掛ける、現代ならではのテーマが重なってきます。



それは【環境】への配慮。


例えば、先ほどのトウモロコシで言えば、食料や飼料だけにとどまらず、石油の代替としてのバイオエタノールへの利用という側面が加わります。当然、需要が拡大し、値段も上がってしまいます。



このように「環境」が絡むと、良くも悪くも、既存のものに全く異なった方向から価値が加わります。


他にも「エネルギー」が「環境」によって、変化していく例はたくさんあるのですが、その中には、他の様々な分野にも通じる、時代の大きな潮流が垣間見えるものもあります。

その中で個人的に関心が高いことを、この第二回のブログの論点にしたいと思います。



論点を導くために、もう一例あげます。


日本では、電気を売り買いする取引所があります。

こちらでは、再生可能エネルギーとして作られた電気が、一体どこで作られたのかを示す「産地証明」を将来的に導入するようです。「この電気は環境に絡んでいますよ」と伝えているわけです。

環境問題に積極的に取り組む企業への信頼の証が明示できることで、その利用を加速しようと後押しするものになるでしょう。



これは無形の電気が色分けされて、価値に違いが生まれていくということになります。

「環境に配慮された」電気には、コストが乗り、それが消費者に転嫁されるかもしれません。



この「今まで曖昧で済んでいたものが、明確に区分されていく」という動きこそ、個人的には、とても大きな時代のテーマになるのではないかと考えています。



水が飲みたいと蛇口をひねるときも、

充電したいとコンセントを使う時も、

極論言えば、呼吸するための酸素も。

意識を向けることなんて、日常ではめったにありません。

それが、例えば左の蛇口からは従来の水が、右側の蛇口からは環境に配慮して浄水された水が出ます、と二つ用意されたとしたら。なんて考えてみたりすると面白いかもしれません。消費者はどんな動きをするのでしょうか。


「何か、まだ遠い世界のような気がする・・」

いえいえ、スーパーでは、レジ袋を意識的にならざるを得なくなっていますよ。

変化は急に起こりません。そんなことをしても、反発にあって終わってしまうからです。

ただし、可能な範囲では着実にジワジワと、私たちを取り込んでいきます。



では「環境」以外でも、そのような流れは見つかるでしょうか。

実は、もっと関わりの大きいところでも、この「見える化」「差別化」は平然と進んでいます。

なぜなら、その対象が「個人」ということだって十分に考えうるからです。

次回のブログでは、そこを追っていきます。


そして、小さな視点として、生活の中で「曖昧にしたまま」になりがちな話題を一つ取り上げてみたいと思います。




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