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執筆者の写真根本 寛朗

金利と利回りは何が違うの?


投資をはじめる前に『知る』シリーズです。


銀行に預金する際や、投資を行う際に出てくる「金利」や「利回り」という言葉は、似てるようで異なります。

今回は、資産運用をする上で、重要になってくる「金利」と「利回り」の違いについてみていきましょう。



金利と利回りの違い

金利は、特に何も前置きがない場合1年あたりの金利である「年利」を指しますが、「月利(1カ月当たり)」「日歩(1日当たり)」などを指す場合もあります。月利は年利を12(カ月)で割ったもの、日歩は年利を365(日)で割ったものになります。金利と利率については基本的に違いはありません。どちらも「毎年受け取る利子の額面金額に対する割合」ことです。


債券の利率は、発行するときの金利水準や発行体の信用力等に応じて決めらる。債券の表面利率は「クーポンレート」といわれます。


一方で利回りは金利とは異なります。金利は1年を単年で見るのに対して利回りというのは利子も含めた年間収益の投資金額に対する割合のことで「特定の運用に対する収益を1年当たりに換算したものを指します(年平均利回り)」。


それでは、金利と利回りについて商品別にみていきましょう。



定期預金の場合

例えば、年利2%の10年の定期預金(半年複利)に100万円を預けた場合。


金利は2%ですが、利回りは異なります。


この定期預金は2%の半年複利になっていますので、下記のように預金額が推移していきます。





10年後に1,220,190円になっています。利息の合計額は、元本である100万円を差し引いた22万190円ということになります。10年間運用しているわけですから、1年あたりに換算すると10で割って22,019円、投資額は100万円なので利回りは2.2019%となります。


<計算式>


年平均利回り(%)=(満期時の利息合計÷元本)÷ 預入年数 × 100



債券の場合

例えば、年利率3%の債券を100万円購入して、5年間保有して105万円で売却した場合、5年間での収益は20万円(利子15万円+105万円-100万円)となります。つまり、年間収益は4万円です。投資金額は100万円だったので年利回りは4%となります。


また、ゼロクーポン債を90万円購入して、5年間保有して償還を迎え100万円で手元に戻ってきた場合は、90万円×(1+利回り)^5年=2.1296%となります。ゼロクーポン債は、利払いがありませんが、年1回利払いがあったものとして複利計算します。


投資信託の場合

例えば、100万円の投資信託を購入し、毎年5万円の分配金を受け取り、10年後に110万円で売却した場合の計算例は以下のようになります。


利回り(%)=収益{分配金(5万円×10年)+売却益10万円}÷運用年数10年÷投資金額100万円×100=6%


<計算式>


投資信託の利回り(%)=収益(分配金+売却損益)÷運用年数÷投資金額×100



ここでいう収益とは、分配金と売却損益の合計から、税金や手数料を差し引いた金額です(税引前の金額で利回りを算出するケースもあります)。



資産運用や投資をする場合、より実態に即しているのは金利よりも「利回り」になります。


上記で挙げた例では、手数料や税金などのコストは計算しませんでしたが、実際に資産運用や投資をする際は、コストも含めた利回りの計算をしましょう。

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