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執筆者の写真渥美 功介

子どもにおこづかいはあげるべきか?

子どもへのおこづかいについて、親として一度は悩むことがあるだろう。そもそもあげるべきなのか、あげるとするといつからあげるべきか、考えようとしても、気づけば時間が経過している、そんなケースも多い。


 金融広報中央委員会による”子どものくらしとお金に関する調査(第3回)2015年度”によれば、小学生の7割強が”おこづかいをもらっている”と回答している。また、低学年では、「ときどき」もらっているとの回答が6割弱で最も多く、「月1回もらっている」との回答は約13%である。小学生の大半はおこづかいをもらっていはいるが、開始時期については、まちまちであり、正解といえるものはないようだ。つまり、年齢や学年できめるのではなく、お金というものを認識し始めた頃が、おこづかいをあげるタイミングとみてはどうか。そうすると年長さんからの開始もOKといえる。小学校にあがるタイミングで、必要なものをそろえたいという欲求がでて、自分で何かを買いたいという意思もでてくる。そんなタイミングもおこづかい開始の一つといえよう。


では、額については、どうか。金融広報中央委員会による、「家計の金融行動に関する世論調査」によると、おこづかいの平均額は、下記となる。

あげる額については、上記平均値を参考に、各家庭で話し合いのもと、決定していくことが一例となるものの、下記のような声もある。

定額であげると、毎月もらえてあたり前、という認識が強まり感謝の気持ちが薄れるのではないか。一方、テストでいい点をとったり、お手伝いをした時だけおこづかいをあげる場合、インセンティブの為だけに頑張るという姿勢になり、お金が出ないと何もやらない子に育ってしまうのではないか。

 

そこでFPとして推奨したいのは、組み合わせである。①毎月固定でのおこづかいと、②特別な試験や検定合格、普段より少しハードルの高いお手伝いをした場合に支給するといった具合だ。

例えば、小学校低学年の場合であれば、毎月500円(平均値より少し下げた額)で設定、特別な試験(習い事での検定合格や、漢字検定の合格等)で、プラス50円~100円といった具合に設定する。※お手伝いは30円~


 いずれにせよ、金額の設定は、子どもとのコミュニケーションの中で、毎月の中で、購入したいものを確認のうえ、トータルの額の設定ができると理想的である。そうすることで、子ども自身、欲しいものを買うために貯金をしたり、欲しいものを我慢するといった、目標を設定する力・達成するという、やり抜く力を育むことにつながる。また、親自身にとっては、子どもががんばる姿をみて感化され、自分の行動を振り返ることで、家計が改善されるケースも多い。まさに一石二鳥である。

 最後に、おこづかいの支給が決定した場合、毎月一度、会議を開くことを推奨したい。おこづかいを何に使ったか、目標にむかって貯金の進捗はどうか等、振り返る時間をつくることが重要といえる。また、たまったお金を、子どもの口座に一緒に入金しにいく等、お金と向き合うという経験をつむことも大切である。これを機に、おこづかいについて一歩踏み出してみてはどうか。

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